マッサージルーム　リカバー | 日記 | 日傘の動きに思いを馳せて

  この時期によく見る色とりどりの日傘。 それらが群がっている場合は大抵、水と光に戯れる我が子たちを見張る若い母たちのもの。 皆さま、傘をさす時の姿勢はどこか凛、として見えるのは、それぞれ自分のお腹を痛めて産み、ともかくここまで順調に育ててきた愛児を、食い入るように、時には誇らしげに見つめているからでしょうか。 柄の部分を肩にかけ後頭部から肩甲骨全域まですっぽりと覆い隠す背後の日傘の動きひとつひとつに、彼女たちの尽きぬ悩みのタネが語られているかのよう。 人並みか、それ以上に育つ我が子を待ち受ける、苦難や障害を今から心配している風にも、
他人の子と比較して少しでも優っている点の発見に努めている風にも。 そんな我が子への様々な想念から乱れる日傘の動きに、見上げるだけで立ち眩むような真夏の空が呼応するかのように強烈な日差しを注ぎます。
（まだ見えぬ将来を案じる前に熱中症に気をつけよ）とでも言いたげに。 昨日、まだ10歳にも満たぬお子様を持つお客様（患者様）が数名、ご来店され皆さま一様に、始まったばかりの夏に起きた小学生の熱中症の悲劇に胸を痛めておられました。 当の子どもたちは大人の心配をよそに、打ち寄せる波を輝ける未来と共に抱きしめ、
捕らえられる訳もない虹を追いかけ、
程よく湿った砂で自分の夢を具現化しようと頑張ってます。 わたし自身、いつの間にか、自分の子への、そんな心配を置き去りにしていた事に気付きます。 施術が終わり、日傘を差して帰るお客様を見送り、毎年のように３人の娘を海やプールに連れて行った１０年前の夏を思い出した次第です。