マッサージルーム　リカバー | 日記 | 黒い雨と自家製（かりんとう）

普段から懇意してくださる患者様（お客様）から自家製の（かりんとう）を頂きました。
 
御年８０半ばの女性客の方。
 １９４５年８月には広島県呉市の女学生だったそうです。
（あの時間、３０キロ南に離れた呉の空でさえ閃光で色が変わったさま）
 
私は今年で通算１０回ほど繰り返し聞かせて頂きました。
 
ですが、その方は、毎年その衝撃がこの時期に蘇るのか、つい今しがた目撃したかのように鮮明に語ってくれます。
 
７３回目を迎えた今年、私も齢５１。
このようなナマの聞き語りを拝聴できる（最後の世代）かもしれません。
 
話を戻せばその、自家製（かりんとう）
考案者はその女性客の叔母様だそうです。
 
その叔母様は、まさにあの日、あの時間、広島中心部に住んでいた、という事実は今年初めて聞きました。
 
幼い頃にその叔母様から教えて頂いた作り方にどうしても向き合えなかったのは（かりんとう）の色が忌まわしい「黒い雨」を思い出させていたから、だそうです。
自家製（かりんとう）は驚くほど甘味を感じません。
ですが当時の方々はどれだけこの味を甘く感じていたことか。
犠牲者・広島・長崎あわせて約１７余万人。
物凄い数字ですが、数字だけでは人はいつしか抽象化・記号化してしまいます。
 
今年はこの薄い甘味に（馳せる思い）を乗せてみよう