マッサージルーム　リカバー | 日記 | 相撲好きのお客様

昨日の最後のお客様と熱い相撲談義。
話題はもっぱら大関に昇進した


貴景勝関です。
外国人力士が増えていく角界にあって、身長一七五センチは、幕内最下位に近い低さ。
普通なら技巧、変則相撲に転じてそうなものですが、小兵ではなく、体重を増やし、突き、押しを貫くこと一点。
出足と突きの速さ次第で何人とでも対の力量を示さんとばかり、正面からの克服。神速果敢な心を備えなければ、不可能な道です。
そんな常識を覆す大関の誕生の奇跡について、そのお客様は夜が訪れても、闇を染め上げる気炎を揚げるように、他意が無く、いささかの逡巡も介さない骨ばった語り口で
（押し相撲で大関まで上がってくる力士はいますが、押し相撲一本で横綱になるのは極めて稀なんです。それでも変えず、四つ相撲の安定感に目を向けない。夢をかなえればまた常識が覆るぞ、こりゃ）
小柄な力士の道が産道のようにそれひとつだけである筈もない、それこそ力士の数だけあるのだと、悟らせてくれました
老人ホームをこっそり抜け出してご来店された、そのお客様とは１０年来のお付き合い。一年ごとに頑愚になりつつあったその方が、いまやすっかり貴景勝関の虜のようで（長生きしてよかったなあ）としみじみ仰ってました。
ただ、やはり脱走はヨロシクない。
施設の職員さんが心配されているのは明白です。
こちらから先回りの電話で施術終了時刻を見計らい迎えに来ていただきました。